「ガヤ類」ダイビングで要注意!|きれいな羽の正体はヒドロ虫の群体

ダイビング、ガヤ類に要注意、フトガヤ、シロガヤ、クロガヤ、ウミヒノキの仲間

水中には沢山の生き物が暮してます。

ガヤ類のように、

一見すると、綺麗な植物のように見えますが、実は毒針を持つ生物もいるんです。

英語圏では、鳥の羽のような見た目から「Feather Hydroid」羽のヒドロ虫とは、
「Stinging Hydroid」刺すヒドロ虫と呼ばれてます。

鳥の羽のように見えるのは、ヒドロ虫の群体
毒針を隠し持ち、刺激を受けるとダイバーも刺されます。

シロガヤは刺胞動物でヒドロ虫の一種
シロガヤ

水中でうっかりシロガヤに触れてしまい、「アッ‼」って後悔したことがある人も多いのでは?

ガヤ類に少しでも触れると、赤いボツボツと強い痒みが発症します。
見た目も最悪です。

ガヤ類は種類が多く、和名がない種も沢山存在します。

ここでは、『ガヤ類ってなに?』と言う方に、バリ島で多く見られるガヤ類をご紹介します。

  • 『ガヤってなに?』体に毒針を隠し持った「ガヤ類」について
  • 『どんな時に刺されるの?』油断禁物!アッと言う間に刺されてしまう
  • 『シロガヤに刺されたらどうするの?』対処方法
目次

『ガヤってなに?』:体に毒針を隠し持った「ガヤ類」について

  • ガヤはヒドロ虫の一種で刺胞動物。体に毒針を備えた刺胞を隠し持ってます。
  • ダイビングで見られる代表的なのが、シロガヤフトガヤクロガヤドングリガヤウミヒノキの仲間

刺胞動物と言えば、クラゲ、サンゴ、イソギンチャクと一緒なんだね

ガヤ類は、少しでも刺激を受けると毒針が発射。ダイバーも刺されます

ハネガヤ科
ハネガヤ科

他にも、ツヅレガヤスダレガヤ(Plumularia科・ツツガヤ属)
ハネウミヒドラ(ハネウミヒドラ科・ハネウミヒドラ属)などもいます。

フトガヤ、バリ島の浅場に多く生息
フトガヤ
フトガヤ、バリ島の浅場に多く生息します。注意が必要
フトガヤ
シロガヤに付着するドーナツマツカサウミウシ
シロガヤに付着するドーナツマツカサウミウシ
ハネウミヒドラに付着するワレカラ
ハネウミヒドラに付着するワレカラ
クロガヤ
クロガヤ
ウミヒノキの仲間、Taxella gracillaulis
ウミヒノキの仲間(Taxella gracillcaulis)

鳥の羽状に見えるのがポリプ(ヒドロ虫)。
この小さなイソギンチャクの様な個虫が多数集まって、羽状の姿を形成します。

ポリプの口盤周辺に感覚や捕食の役割をする触手(しょくしゅ)があります。
ガヤ類は刺激を受けると触手にある刺胞から毒針を発射させます。

こうして、外敵から身を守ったり、獲物を捕まえたりしてるんですね。

『どんな時に刺されるの?』:油断禁物アッと言う間に刺されてしまう

ガヤ類に刺されたケースで良くあるのが、

  • 初心者ダイバーの方で、うっかり岩や海底に触れてしまい、気付かないうちに刺されケース
  • 特にマクロ派ダイバーで、真を撮ることに夢中になりシロガヤに刺されるケース

手の甲とか、手首辺りに刺されることが多いですよね

ガヤ類を宿主(ホスト)とするウミウシやエビもいます。

シロガヤに着手するカゲロウカクレエビ
シロガヤに付着するカゲロウカクレエビ
ガヤに擬態したニシキフウライウオ
ガヤに擬態したニシキフウライウオ

グローブするから大丈夫!

グローブしてても注意が必要!
海外では、グローブ禁止の場所もあるよ。

  • グローブにガヤの破片が付着しているのに気付かず、後で刺されてしまったケースもありますよ。
  • グローブとウエットスーツのわずかな隙間に刺される。

近づかないのが一番!

『ガヤ類刺されたらどうなるの?』痒みが止まらない

セバエアネモネフィッシュとフトガヤ
セバエアネモネフィッシュとフトガヤ
  • ガヤ類に刺されると少し「ビリッ」とします。
  • 刺された部分がポツポツ赤くなってきて、かなりの痒みが発症します。

経験上、患部をかきむしると最悪な結果になるよ

私の最悪な経験①:
20年以上前、ダイビング旅行中シロガヤに刺されました
水中写真を始めたばかりで、「写真を撮ることに夢中
気付いたら、手の甲、手首周辺、首の周りまでガヤに刺されてしまった。

痒さに耐えられず掻きむしってしまったのが大間違い

掻きむしった部分に細菌が感染。
掻けば掻くほど、飛び火し周辺に症状が広がってしまいました
赤いぶつぶつが、水泡れのようになりみみずばれ状態

その時の写真をお見せ出来ないのが残念ですが、多分「閲覧注意」になるかと思います。

『ガヤに刺されたらどうするの?』応急処置方法

シロガヤに刺されたらどうする?
DANにによると、シロガヤに刺された時の手順は以下の通りです。

  1. 直ちに刺された箇所を家庭用のお酢(酢酸5%溶液)で洗い流す。酢が手に入らない場合は、海水または重曹のペーストを使用する(注意:真水だと刺胞が活性化してさらに悪化する場合があるので注意が必要です。)
  2. お湯やヒートパックで患部を温めたり、ビニール袋に入れた氷やコールドパックを使用して冷やすことで、ある程度痛み・痒みを和らげる
  3. 刺された箇所に触手(しょくしゅ)の破片があったら取り除き、残りのお酢でもう一度すすぐ
    (この時、可能であれば手袋を直用し、指や手に触れないように注意をする)
  4. ヒドロコルチゾン(0.5~1%)のクリーム(軟膏)を、症状が消えるまで患部に1日2回塗る
  5. 症状が改善しない場合は、医療機関を受診する

私の最悪な経験の続き②:
私の場合、スラベシの現地スタッフから謎の薬草をもらい患部をシップしました。
ただ、全く効果なし。強度の痒み。

現地スタッフから、「患部にドライヤーの熱風をあてると痒みがとれるよ」と聞き、試してみた。
効果は一瞬で消えます。

シロガヤに刺されて3日たっても痒みがとれない。

日本に帰った後、医師の診断のもと「リソデロン-VG軟膏 0.12%」を処方してもらいました。
かなり効果ありました。

シロガヤに刺され、ゲンタシン軟膏を処方された知人もいます。
ムヒアルファEXを使ってる人もいますね。

楽しいはずのダイビング旅行。
水中で「鳥の羽のようにフワフワした」ガヤ類(ヒドロ虫)見たら要注意してください!


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